古川橋駅前に続き、門真市駅前でも巨大再開発が本格始動することになりました。
今月(2026年)3月末で商業・住宅の複合施設「門真プラザ」内のコア(核)テナントである「イズミヤショッピングセンター(SC)門真」の閉館が発表され、再開発へ向けた動きが広く見える形となり、新たな商業施設開業までの買物環境確保へ向けて近くに仮店舗を設けるとの話も聞かれます。
イズミヤSCは、地下の食品スーパー「イズミヤ門真店」を中心に、1階のドラッグストア「ココカラファイン+イズミヤ門真店」や100円ショップ「キャンドゥ(Can☆Do)イズミヤ門真店」、文具店「コンパス(COMPASS)門真店」、ファンシー雑貨「バラエティ101門真店」、ファストフード「マクドナルド京阪門真駅前店」、金・プラチナなどを買い取る「買取大吉イズミヤ門真店」、2階の総合衣料店「パレットイズミヤ門真店」のテナントで構成されるショッピングセンター。
3階では2021年4月から展示・販売施設の「海洋堂ホビーランド」が営業し、門真市による公民連携子どもの居場所「子どもLOBBY」も置かれていましたが、昨年(2025年)12月限りで先に閉じられており、3月時点はフロア自体が閉鎖中です。
このほか、2階には100万羽の折り鶴展示を目指す「いのち輝く折り鶴JAPANパビリオン(折り鶴ステーション)」(ゆめ伴プロジェクト in 門真実行委員会)と題した非営利スペースも2023年5月から置かれてきました。同階には「プレイランド」と題したゲーム機コーナーもあります。
イズミヤも「門真プラザ」の権利者
イズミヤSCは、駅前再開発で1973(昭和48)年に完成した「門真プラザ」の核となる商業施設として同年4月6日にオープン。
門真プラザに設けられた商業部分6000坪(約2万平方メートル)のうち、5000坪(約1万6500平方メートル)を占めるとされています。
もともと門真プラザは、当時は西三荘寄りの元町・本町地区にあった「門真駅」を古川橋寄りの新橋地区へ移転することに端を発して、門真市の新たな玄関口として再開発を行ったもの。
(※)門真プラザが誕生した経緯や背景については2022年7月の記事「門真市の玄関口も半世紀、駅前の『門真プラザ』再開発へ始動」に詳しく書きました
1970年代の門真市は人口増にともなう学校など公共施設の整備などで財政難にあえいでおり、再開発に際しては市が大手総合商社の「丸紅」に土地の多くを売却。同社が建物の「区分権」をイズミヤ(当時はいずみや株式会社)などの民間企業へ販売するなどして市の負担を減らし“官民共同再開発”としたのが特徴です。
そのため、イズミヤ自体も市とともに門真プラザの重要な“権利者(地権者)”となっています。
野村不動産などが2028年度着工
門真プラザの地下1階・地上12階建ての建物は、1971(昭和46)年12月に着工し、今から約53年前の1973(昭和48)年5月に完成。
建物は1981(昭和56)年以前の“旧耐震基準”で建てられており、2000年代初頭には大きな地震が起きれば倒壊の危険もあると診断されたことから、近年は建て替えを前提に市営住宅部分などで住民の転居が進められてきました。

1973(昭和48)年5月の竣工前後とみられる門真プラザの全景写真、当時の門真市は高い建物がなく、12階建ての建物がいかに高層ビルだったかがわかる。また今とは異なる「イズミヤ」のロゴマークも(1972年大阪府建築部住宅開発課「大阪府住宅年報」=国会図書館デジタルコレクションより)
その後、2022年5月には再開発へ向けて市やイズミヤを含めた門真プラザの権利者(地権者)ら61人が「門真市駅前地区市街地再開発準備組合」を結成。
現在は準備組合から発展した「門真市駅前地区市街地再開発組合」(池尻昌弘理事長)が再開発を進める主体となり、野村不動産や東急不動産、京阪電鉄不動産、旭化成ホームズも組合員に加わり、4社とともに今から6年以上先の「2032年度(令和14年度=2032年4月~2033年3月)」の竣工を目指すと2025年6月に発表しています。
現計画では建築工事を2028年度(2028年4月~2029年3月)にスタートするとしており、建物の解体期間などを考えれば、イズミヤの閉店は再開発スケジュールに沿った動きといえます。
4階建て商業&43階建てタワマン
同組合が大阪府から認可を受けた市街地再開発の概要は次の通りです。

京阪・門真市駅と反対側から眺めた再開発の完成予想図、右側が43階建ての「住宅棟」、駅出入口に近い左側が4階建ての「商業棟」(2025年6月19日、門真市駅前地区市街地再開発組合、野村不動産、東急不動産、京阪電鉄不動産、旭化成ホームズによるニュースリリースより)
- 現在の門真プラザの場所(約8860平方メートル)には現在の建物を解体して次の3棟を新築
- 4階建て・高さ27.9メートルの「商業棟」(延床面積1万1365平方メートル)
- 43階建て・高さ161.6メートルの「住宅棟(約510戸)」(同5万6911平方メートル)
- 4階建て・高さ19.3メートルの「駐車場棟(自走式、駐輪場を含む)」(同4909平方メートル)を建てる
- 再開発の対象は「門真プラザ」と駅前広場を含む約2.0ヘクタール(約2万平方メートル)の区域とし、「商業棟」から門真市駅に直結するデッキを新設
- 建築工事は2028(令和10)年度(2028年4月~2029年3月)に開始し、竣工は2032(令和14)年度(2032年4月~2033年3月)を予定
門真小校地の一部に仮店舗の動き
今月末(2026年3月31日)に控えたイズミヤSCの閉店は、新たなまちづくりに対応した予定通りの動きであり、53年の歴史に幕を下ろすことは次の未来へ向けて歓迎すべき出来事なのかもしれません。
ただ、イズミヤSC以外にも「ダイコクドラッグ門真市駅前店」などの商業テナントが存在しており、現時点で個別の閉店スケジュールは見えてきません。
再開発で4階建ての商業施設が建てられる一方、その後の運営で地権者の「イズミヤ」が関わるのかどうかは分かりません。また、イズミヤと同様に門真プラザの重要な“地権者”である門真市は、市営住宅などで現在は1万平方メートルを持つ所有床を再開発後は約900平方メートルにまで圧縮し、差額分は市の収入(歳入)にすると市議会で表明しており、“市の関与は薄くなることが決まっています。
そして、住宅面から見ると、古川橋駅前のタワーマンション(タワマン)「シティタワー古川橋」(住友不動産、648戸、2027年3月下旬から入居予定)に続き、門真市駅前も約510戸のタワマンを建てる計画となりました。
古川橋のタワマンは新図書館「カドマド(KADOMADO)」(2026年5月13日開館)が至近に新設されるため、物件購入を促すメリットの一つとなりそうですが、門真プラザ跡は市が関与を薄くして保有床は900平方メートルに減じますので、住民向けに役立つ公共施設を提供できるのかどうかは現時点で分かりません。
解体や建設が順調に進んだとして、再開発の完成は6年以上先の2032(令和14)年度(2032年4月~2033年3月)。近年は建設費の高騰により全国各地で大型の再開発計画がストップしている現状もあり、古川橋のように無事に進められるのかどうかの懸念も残ります。
何より、食品スーパーであるイズミヤが無くなることは、近隣住民にとって日常的な買物の場所を失うことにつながります。
そんななか、昨年(2025年)12月18日の門真市議会では、市のまちづくり部長が次のような発言をしていました。
(令和)7年10月3日付で、再開発組合からイズミヤが再開されるまでの間の生活利便性を維持するため、仮店舗用地として、本市に行政財産使用の検討依頼があり、再開発組合を含め庁内関係課と協議した結果、門真小学校用地の一部が使用可能となったため、現在、イズミヤにおいて当該地での仮店舗営業について社内検討を行っている状況と聞き及んでおります。
(2025年12月18日門真市議会「令和7年第4回定例会」での市まちづくり部長答弁)
具体的なことはまだ明らかになっていませんが、イズミヤが仮店舗での営業を検討していることが市から公式の場で報告されたものです。
確かに門真小学校(柳町)では門真警察署寄り(京阪電車と反対側)にあった古い校舎が近年解体されており、その跡地は2026年3月時点で未利用となっています。
再開発が終わるとされる6年以上先のことは不透明なため、まずは仮店舗の形であっても日常の食料品などの買物環境が早期に維持されることを期待したいところです。
(※)本稿は門真市公式サイトや再開発組合のニュースリリースなどを参照しました
(2026年3月6日時点の内容です)
(※)門真プラザが誕生した背景や歴史、京阪電車の新門真駅と西三荘駅が置かれた経緯については2022年7月23日公開の記事「門真市の玄関口も半世紀、駅前の『門真プラザ』再開発へ始動」をご覧ください












