2011(平成23)年12月から運行されてきた門真市のコミュニティバス路線(京阪バス「7・7A系統」)が来年(2023年)3月末までに廃止されることが決まりました。
先月(2022年)8月16日に開かれた「門真市地域公共交通会議」で発表されたものです。
このコミュニティバスは、北島や舟田町、沖町といった路線バスの空白地帯を埋める目的から市が主導して新設したもので、現在のルートは、
- 門真市役所~古川橋駅~(保健福祉センター)~古川町~沖町~南部市民センター~門真団地~三島団地前~地下鉄門真南駅
という形で運行されています。
これまで民間路線バスが参入していないようなエリアを通ることから収益化することは難しく、市が年間3000万円程度の補助金を京阪バスに出したうえで、同社が専用の小型車両を使って「7・7A」という系統名で運行中です。
新型コロナウイルス禍前までは徐々に乗客が増え、2019年度には約7万6000人超の利用者を集めていましたが、コロナ禍で大幅に減少。
門真市は「大幅な需要増加が見込めない」などとして補助金額を減らしたこともあり、京阪バスは今年2022年4月から減便や一部便の運行区間短縮を行っていました。
今後は市が「小規模乗合型輸送システム」と呼ぶ“乗合タクシー”のような形で新たな輸送手段を確保していく考えです。
補助金がなくなれば維持できない
10年超にわたって運行されてきた門真市のコミュニティバス路線ですが、コロナ禍の影響で廃止に追い込まれることになってしまいました。
市としては補助金を出していても「あくまで京阪バスが自主的に運行する路線」として、廃止は京阪バスの判断という姿勢ですが、乗客減や燃料費の高騰で京阪バス自体が苦しい経営を迫られており、「7・7A系統」は補助金がなくなれば維持できない路線であるといいます。
このコミュニティ路線は10年近くかけて育て、ようやく定着しつつあっただけに残念な思いがします。
市はコミュニティ路線の廃止を決める一方、交通空白エリアに住む高齢者などを対象に事前予約制の乗合タクシーのような形で「足」を確保していく考えですが、誰でもいつでも乗れるというような環境ではなくなります。
市の税金も使ったうえで仕立てた「ガラスケ」仕様のミニバス車両も、少しもったいない。
今後、門真市内の他のバス路線にも減便や再編などが波及しないことを願うばかりです。
(2022年9月24日時点の内容です)